古くから親しまれてきたニラの歴史
韮(ニラ)は3000年以上の長い歴史を持つ野菜です。
原産地は東アジアの地域で、中国西部、ベトナム、インドなどで
紀元前から栽培されていました。
日本へは弥生時代に中国から伝わってきたといわれています。
日本最古の歴史書である古事記には、「賀美良(かみら)」
平安時代の薬物辞典には「古美良(こみら)」
万葉集には「久久美良(くくみら)」という呼び名で登場します。
現在のニラという名前は、これらの「ミラ」が転じて
「ニラ」となったことからきています。
古くから親しまれてきたニラですが、
主に薬用の食物として食べられてきました。
体が温まり精力がつくとされ、薬膳として粥にいれるなどの食べ方です。
野菜として食べられるようになったのは、
明治時代になってからです。
しかし野菜として食べられるようになった後も、
ニラ独特の強い匂いから、それほど普及していませんでした。
戦後になって餃子などの中華料理が広まったことで、
ニンニクに次ぐスタミナ野菜として、
ニラも広く食べられるようになりました。
ニラは丈夫で作りやすい野菜です。
欧米では好まれずほとんど栽培されていない野菜ですが、
現在の日本では、北海道から沖縄まで全国で栽培されています。