キャベツの品種と語源
一年中出回っているキャベツですが、
季節によって品種が異なるのをご存じでしょうか。
春には、春系の品種のキャベツが出回ります。
中まで黄緑色になっていて、やわらかくて巻きが緩いのが特徴です。
また、春系は、生食に適しています。
一方、球が中まで絞まっているのは、冬キャベツです。
その他に、夏秋キャベツ、芽キャベツ等、現在では様々な品種があります。
「キャベツ」の名前の由来は、英語の「キャベッジ(cabbage)」から来ています。
英語の「キャベッジ(cabbage)」は、元々、「頭」を意味する言葉でした。
その語源となっているラテン語は頭という意味の「caput」です。
また、フランス語には、頭でっかちという意味の「caboche」という言葉があります。
さらに、フランス語の「シュー(chou)」とは、
キャベツやハクサイ等の総称の事ですが、
人気のお菓子「シュー・ア・ラ・クレーム(シュークリーム)」は、
「シュー(chou)」という言葉が由来となっています。
シュー生地の見た目がキャベツに似ていることから、
「クリーム入りのキャベツ」という名称が付けられたのです。
キャベツは数千年前からヨーロッパで栽培されていというほど、
昔から、人々に親しみのある食材でした。
最初に食用としたのはギリシャ人との説があり、
紀元前の古代ローマやギリシャでは、キャベツを食べていたと考えられます。
中世スコットランドでは、キャベツで恋占いを行っていたとも言われています。
そこから、「赤ん坊はキャベツ畑から来る」という言い伝えが広まりました。
日本にも約800年前頃に伝わりましたが、最初は葉キャベツで、主に観賞用でした。
その後、明治時代に洋食店が生のキャベツを千切りにしてトンカツに添えたことから、
生食での食べ方も広まっていき、キャベツの生産量も増加していきました。
このように、日本で広く食べられるようになったのは、
明治以降と比較的最近のことですが、
今日では毎日の食卓にかかせない食材となっています。