にしんの別名と、数の子にまつわる豆知識
鰊(にしん)は、
「春告魚(はるつげうお)」とも呼ばれるように
産卵期の春が旬の魚です。
その為、3~4月のこの時期、
にしんの卵である数の子が多く獲れて、
市場に出回ります。
お正月には、数の子を食べる習慣がありますが、
これは、にしんの卵の数が多いことから、
子宝、子孫繁栄を願ってのことです。
数の子の名称の由来は、
にしんを「カド」と呼んでいたことから
カドの子が数の子になったという説もあります。
何故、にしんのことを
「カド」と呼んだのでしょうか。
にしんは、頭の見た目が鰯に似ていて、
小型のにしんは、鰯と見分けるのが難しいです。
そこで、頭が角ばっている鰯ということで、
「カドイワシ」と呼ばれました。
にしんと鰯には、分類でも関係しており、
一般に鰯と呼ばれるマイワシ、ウルメイワシは、
ニシン科に属しています。
このように、にしんと見た目や分類が似ている鰯ですが、
鰯が捕れる時期や天候は、にしんと異なります。
にしんが捕れるのは、どんよりと曇った天候で、
「鰊曇り(にしんぐもり)」という言葉もあります。
北海道では、にしんの捕れる3月から4月の曇り空のことを言います。
一方、鰯は晴天の方がよく捕れると言われています。
スーパーでにしんと鰯を見つけたら、
頭の部分が見分けられるか、試してみると面白そうです。