夫婦円満の象徴、縁起物「蛤(はまぐり)」

栗に形が似ていることが名前の由来となっている蛤(かまぐり)は、
婚礼や桃の節句などお祝いごとによく用いられます。

蛤は二枚の殻がぴたりと重なることにより、
「夫婦円満」の意味をあらわす縁起物とされ、
また桃の節句に食べると「良縁」を招くとされいるため、
蛤のお吸い物は欠かせない物とされています。

これを発案したのは、徳川8代将軍吉宗だと伝えられています。

子供が非行に走るという意味で使われる「ぐれる」という言葉は、
蛤の貝殻の合わせ具合が噛み合わないことを表す
「ぐれはま」から由来する言葉だといわれています。

貝塚から蛤の殻が多く発見されたことから、
食用の歴史は古いとされています。

蛤の貝殻は、碁石などの遊具、衣服のボタン、目薬などに
広く利用されてきました。

蛤は、たんぱく質がやや多く、ビタミンB12、鉄、
カルシウム、タウリン、鉄や亜鉛などのミネラルも豊富に含まれています。

鉄分は貧血予防に、タウリンやミネラルは動脈硬化や高血圧症を予防、
滋養強壮に効果があります。

ビタミンB12は、DNAの合成や調整に深く作用し、
正常な細胞の増殖を助ける働きがあるといわれ、神経を正常に
機能させる働きもあります。