旬の美味しいあさりを、より安心に食べるには
一年中どこでも手に入る浅蜊(あさり)ですが、
漁獲高の減少によって、近年では輸入ものの
あさりも増えています。
「砂抜き済み」のあさりでも、もう一度
砂抜きをした方が安心だと言われています。
いまさらですが、コツをここでおさらいしてみましょう。
「3%程度の塩水」と料理の本に書かれていることが多いですが、
「水カップ1杯に塩を小さじ1杯」と覚えておくと簡単です。
調理寸前まで元気にいてもらうためには、
「あさりが生息していた環境を再現する」ことがポイント。
海水に近い水温と塩分濃度で、暗くしておきます。
呼吸を妨げることがあるので蓋は密封せず、
できるだけ貝同士かさならないようにして、
貝にひたひたにかかるぐらいの塩水に
1時間~2時間つけておきます。
底上げできる網のようなものを用意できれば、
吐いた砂が底に落ちて再度吸い込むことを防げるので、
より安心です。
「加熱しても口が閉じたままのあさりは死んでいるので
食べない方がよい」と、よく言われますが、
実は、死んでいるあさりも加熱すると口が開くことが
わかってきました。
では、どうやって見分ければよいのでしょうか?
生きているあさりを加熱して、観察すると、
50℃を超えるあたりで、「半開き」になり、
一方死んでいるあさりは完全に閉じた状態から、
一気に開くそうです。
少し面倒な気もしますが、あさりに火が通るまでは
短時間ですので、お子さんに食べさせるなどで心配な場合は、
加熱しながら観察して選り分けてもよいでしょう。
あさりには鉄分や、ビタミンB12や銅が豊富に含まれているので、
特に貧血が気になる方や、成長期のお子さんにもお勧めの食材です。
あさりそのものの美味しさを堪能できる酒蒸しやあさりバター、
うまみを余すところなく頂けるおみそ汁やパスタなど、
素材を活かしたシンプルな調理法がやはり一番かもしれません。
栄養を蓄えてふっくらと美味しい旬のあさりで、
食卓に春を呼んでみませんか。