寒くなると恋しくなる冬の味覚、あんこう
見た目はちょっとグロテスクだけど、高級食材・珍味といわれる鮟鱇(あんこう)。
表面がぬるぬるしていて普通にさばくのは難しく、
吊るしてさばいたり、雪の上でさばいている様子が、
冬の風物詩として紹介されることもありますね。
自分でさばくのは難しいので、
さばいてあるものを買うことになるのですが、
鍋にするときは身だけでなく、肝も入ったものを買うといいですよ。
通称、あん肝です。
身だけでももろん美味しいのですが、
この肝が鍋の味の決め手になります。
肝をすりつぶしたものをだしに加えると、
なんともいえない旨味とコクが溶け出します。
だしは味噌仕立てや醤油仕立てが良いでしょう。
欲をいえば肝だけではなくて、
あんこうの七つ道具全てが入っているのが買えればもっと最高です。
あんこうの七つ道具というのは、
- 身(通称、やなぎ)
- 皮
- 胃袋(袋)
- 肝臓(きも)
- 卵巣(ぬの)
- エラ
- 尾びれ胸びれ(とも)
のことで、それぞれに独特の食感と味わいがあります。
実はこのあんこう鍋以外にも、
冬に食べたくなる温かいあんこう料理があります。
漁師めしである「どぶ鍋」です。
このどぶ鍋は、あんこうと野菜の水分だけで出てきたスープに
肝が溶け出し、なんともいえない濃厚な旨味を醸し出しています。
肝が溶け出したスープが白く濁っている様子が
どぶろくに似ていることからどぶ鍋と呼ばれるようになった、
なかなか食べることのできない幻の鍋です。
他にも唐揚げや供酢(刻みねぎたっぷりが美味しいです)など、
ついつい日本酒に手がのびてしまう味覚です。