春一番!ふきのとうデトックス

とある日のお蕎麦屋さんでのランチで、

「こちらは、サ―ビスです。冬に溜まった老廃物を体の外に出してくれるんですよ!
 冬眠から目覚めたクマも食べるんだそうです。」

クマではないんです(笑)と思いつつも、
見ると、カラリと薄衣をまとった新緑のふきのとうの天ぷらです。

老廃物を出す?デトックスですか!

何度か食べたことはあっても、春の味覚そして少し苦いというイメージで、
そのような素敵な効果があるとは、この時まで知りませんでした。

ふきのとうは、山沿いの道路の脇だったり田んぼのあぜ道に、
何の前触れもなくひょっこり顔を出しています。

雪解け水でたっぷり水を含み黒々としている土壌に、
どの植物よりも一番乗りで明るく柔らかく春を告げる様子は、
小さいながらも強い生命力を感じますね。

春は、クマばかりではなく人も本能的に目覚める時期なのでしょうか。

このタイミングに、旬の野菜で体の大掃除ができるなんて、
本当に自然は上手くできています。

冬に蓄積した老廃物、余分なものを排出し血の巡りを清浄化させ、
暑い夏を乗り切る準備をするといった効率の良さ。

昔からよくいわれていますが、
[旬のものは体に良い、季節ごとに体に必要とされる栄養素を多く含んでいる]
まさにその通りなのでしょう。

良薬口に苦し。ふきのとうは、独特の苦みと香りを持っています。
たくさん食べられるものではありません。

中国では昔から漢方薬として解毒などに使用されていたそうです。

ドイツの医師であり植物学者のシーボルトによる日本の民間療法の調査でも、
ふきのとうが、咳止めや解熱、去痰、虫刺されや切傷の処置に使用されたことが
分かっています。

日本でも江戸時代には薬草だと認知されていたのですね。

ふきのとうにはビタミン類やミネラルが含まれていますが、

アクの苦みにポリフェノールを含んでいます。

ポリフェノールは、抗酸化力のあるファイトケミカル
(植物に含まれる化学成分のこと)のひとつで
体を老化させる活性酵素を取り除き、免疫力をUPさせ、
生活習慣病の予防に役立つのではないかと言われています。

ふきのとうの蕾とよく似ている福寿草、
こちらはたいへん毒性が強く素人は扱ってはいけないそうです。

光沢がなく中が緑色をしているのものが(花弁は白い)ふきのとうで、
一方、福寿草の蕾の中には黄色い花弁があります。

しっかり見分けなければいけませんね。

自然の生み出した季節限定の薬で、
体の中をすっきりリセットして今年も一年頑張りましょう!