葡萄 – ぶどう – grape

ぶどうの特徴

世界で最も栽培されている果実

ぶどうは世界中で一番多く生産されている果実です。品種の数も多く、16,000種以上あると言われ、色、粒の形や大きさ、肉質、風味、甘みや酸味など、そぞれに特徴があります。

栽培は古代エジプトから

栽培の歴史も古く、紀元前3000年以前の古代エジプトのころから栽培が行われ、ワインが醸造されていたことが、ピラミッドの壁画などから分かっています。聖書や神話などにも古くから登場している果実の一つです。

9割がワインに

ブドウがこれほど大量に生産されるのは、その果実からワインが作られるためです。全世界の生産量の9割がワインなどの加工品となります。特にヨーロッパぶどうはほとんどが醸造用に改良されてきた品種で、発酵後に香りが優れた品種が多く栽培されています。

日本では生食

世界の傾向とは違って、日本ではその9割が生食用として栽培されています。日本での栽培も歴史があり、甲州ぶどうは800年以上も前から栽培されてきました。

疲労回復に

ぶどうはブドウ糖や果糖などの糖質が多く、すぐれたエネルギー源として疲労回復に抜群の効果をもたたしてくれる果実です。また、皮に多く含まれるポリフェノールは血液をサラサラにするはたらきが注目されている成分で、最近のワインブームにも一躍かっています。

ぶどうの品種

デラウェア

日本でもっとも生産量が多く、もっとも親しまれている品種です。果皮は紫色がかった赤色で1~2gの小粒種です。甘みは充分にあり、くせがありません。

もともと種子のある品種ですが、通常はジベレリン処理によって種なしぶどうにされます。

本来は8月中旬に熟しますが、種なし化とビニールハウス栽培により6月頃から出回ります。

生食用が主ですが、国産白ワインの原料としても利用されています。

アメリカのデラウェア州で発見された品種で、日本には1882年(明治15)に導入されました。

主な産地は山梨県、山形県、大阪府、島根県などです。

巨峰(きょほう)

代表的な大粒ぶどうです。果皮は紫色がかった黒色で、果肉は緑色をしています。10~15gの大粒は、果汁が多く甘みが強いため食味は良好です。

日本生まれで、「石原早生」と「センティニアル」を交配させて作られました。

「巨峰」の名は商標名で、品種名ではありません。1945年(昭和20)に「伊豆の峰で作られた巨大な粒」というところから命名されたそうです。

成熟期は8月下旬~9月上旬。1970年代から増殖され、デラウェアを抜いて第1位の栽培面積をもちます。

主な産地は長野県、山梨県、福岡県、愛知県など。

粒が落ちやすいので購入の際は注意しましょう。

ピオーネ

巨峰とマスカットの交配により日本で作られた大粒の品種です。1973年(昭和48)に公表されました。

果皮は黒紫色で、13~18gと巨峰より大粒です。果肉の質や味、香りも良好です。

9月上旬頃に成熟しますが、温室栽培されるものは5月下旬から出荷され、最高級品の一つになっています。

主な産地は山梨県、岡山県、香川県などです。

最近ジベレリン処理により種なしぶどうの生産が増えています。

甲斐路(かいじ)

ネオマスカットとカリフォルニア産フレームトーナーとを交配させて作られた最近の人気品種です。1977年(昭和52)に公表されました。

果皮は透明感のある薄紅色。粒は卵形の大粒(9~10g)で、酸味は少なく食味はよいのですが、香りは少なめです。

9月下旬~10月上旬頃に成熟します。

主産地は山梨県です。また、枝変わりの早熟品種は「早生甲斐路」または「赤嶺」と呼ばれて、区別されています。

甲州(こうしゅう)

約800年ほど前、平安時代に現在の山梨県勝沼地方で発見された日本特有の品種です。

果皮は薄赤紫色、果肉は薄赤色でやわらかく、やや強い酸味と甘みがありますが、香りは少ないです。粒は短楕円形で4~5gの大きさです。

晩成ですが保存がきき、山梨で9月下旬~10月中旬に収穫されて正月過ぎまで保存できます。

生食・醸造用の両方に向きますが、最近は醸造向けの利用が多くなっています。古くから良い白ワインが作られています。

「甲州三尺」と呼ばれる変種もあります。

マスカット・オブ・アレキサンドリア

ヨーロッパぶどうの代表的品種で「ぶどうの女王」と言われ、2000年の歴史があります。クレオパトラも好んで食べたと言われています。日本には明治期に
入ってきました。

果粒は大きく卵形で、果皮は薄く、初め黄緑色で熟すと淡黄色になります。果肉はしまり、多汁で舌ざわりがよく、気品のあるマスカット
香がします。

高温・乾燥を好むため、日本では温室栽培されて5~12月まで出回ります。

産地は岡山県で9割以上のシェアを占めます。世界各地で栽培され、生食ばかりでなく、レーズンやワインにも加工されています。

ネオマスカット

大正期に日本でマスカット・オブ・アレキサンドリアに「甲州三尺」を交配して育成された品種です。

粒の大きさは7~8g、淡黄色の果皮はやや厚めですが、多汁で甘みが強く、味、香りとも良好です。

熟すのは9月中旬で、主な産地は山梨県、岡山県、香川県などです

。露地栽培できるために安価で出回り人気があります。

マスカット・ベイリーA

日本で育成された生食・醸造兼用の品種で、1940年(昭和15)に発表されました。

果皮は黒紫色、円形で6~7gの中粒種です。甘み・酸味がともに強く、弱いマスカット香があって、食味は良好です。

赤ワインの原料としてもかなり利用されています。

成熟期は9月中下旬~10月中旬で、主な産地は岡山県、山梨県、福岡県、広島県、兵庫県です。

近年、ジベレリン処理による種なしぶどうの生産が増加しています。

キャンベル・アーリー

アメリカ原産のぶどうで、日本には1897年(明治30)に導入されました。

栽培が容易なため全国的に栽培されています。

果皮は黒紫色で、5g程度の中粒種です。味は濃厚で、やや酸味は強いですが香りは良好です。

ジュースやジャム作りにもむいています。

8月上旬~9月上旬に出回ります。

名前は育成者のキャンベル氏に由来します。

コンコード

アメリカ原産で、マサチューセッツ州コンコードの産であるためこの名が付きました。

果粒は円形で4g程度の中小粒です。果皮は紫黒色、果汁が多く、甘みや酸味も中程度、強い狐臭があります。

生食よりも主に果汁用に用いられ、ゼリーやジャムにも加工されます。

成熟するのは9月中旬から下旬にかけて。耐寒性が強く、長野県と山形県で多く栽培されています。

ロザリオ・ビアンコ

マスカット・オブ・アレキサンドリアを元に最近日本で育成された品種です。

楕円形の巨大粒(9~12g)で、果皮は黄緑色、風味は甘くまろやかです。

ほのかなマスカット香りがします。

熟期は9月中旬頃。

果皮が薄く果肉と分離しにくいので皮ごと食べるのがお勧めです。

ピッテロ・ビアンコ

ヨーロッパぶどうで「レディースフィンガー」との別名で呼ばれることもあります。

粒は細長く勾玉(まがたま)状で、薄白緑色の果皮とかための果肉を持ち、糖度も充分です。

11月ごろ出回りますが、栽培は難しく、出回り量は少ないです。

ナイアガラ

寒冷地で栽培されるアメリカ産のぶどうです。

日本には1893年(明治26)に導入され、北海道や長野県で多く栽培されています。

粒は黄緑色の円形で、4g程度の大きさです。甘みが強くて酸味は少なく、強い狐臭をもっています。

成熟期は9月中旬頃。

ジュースに加工されることも多いようです。

「レッドナイアガラ」と呼ばれるブラジルで発見された変種も出回ることがあります。

ルビー・オクヤマ

ブラジルで発見された品種で、高級果実として最近注目されています。

粒は8~12g程度の短楕円形で、赤紫色をしています。

強いマスカット臭と酸味・渋みがある独特な欧州系の食味が特徴で、好みは人により別るところです。

収穫期は9月中下旬です。

藤稔(ふじみのり)

1978年にピオーネなどから日本で育成された品種です。紫黒色の大粒種で平均20g程度、大きいものはピンポン大ぐらいにもなります。

多汁で甘みもありますが、食味は巨峰よりもやや劣ります。

収穫期は8月下旬~9月中旬頃です。流通には適さず、観光直売所で目玉商品として扱われています。

トムソン・シードレス

干しぶどう用の品種で、アメリカのカリフォルニア州で大々的に栽培されています。

淡黄色の小粒種で、果肉はしまって甘く、食味は優れています。

レーズンのほか、生食やワインにも用いられます。

日本では気候が合わず、ほとんど栽培されていません。

ぶどうの選び方

粒に張りがあり、色の濃く揃ったものが良いでしょう。

果軸が太くしっかりしていて、緑色を残しているものを選びましょう。細く干からびて茶色くなったものは古いものです。

粒の形や大きさがそろっていて持ち上げても実が落ちないことを確認してください。古くなると実が落ちやすくなります。

大房より中ぐらいの房のほうが味はよいと言われています。

巨峰などの黒紫色の品種は、色の濃いものの方が味は安定しています。

マスカットなどの緑色系の品種は、熟してくると黄白色を帯びてくるので食べごろがわかります。

ぶどうは日光のよく当たる房の上の方から順に甘くなります。したがって、下の方についている粒を食べてみて、甘ければ全体が甘くなっていると予想できます。

表面の白い粉がしっかり全体についているものが新鮮です。これはブルームと呼ばれるぶどう自身の分泌物で、農薬などではありません。水分の蒸発を抑えたり、病気から守る役目があります。このブルームがきれいについているものほど人の手が触れていないことを示すので流通事情が良いというわけです。

ぶどうは追熟する果実ではなく、店頭に並んだ頃は食べごろになっているので、買ったら早めに食べるようにしましょう。

干しぶどうはしっとりとしてよく乾燥しているものを選びます。ぱさつくものは古くなっているものです。

ぶどうの調理法(食べ方)

食べ方いろいろ

一般的には、熟したものを冷やしてそのまま食べますが、ほかにもいろいろな
食べ方があります。

★ペクチンを多く含むのでジャムやゼリーにもむいています。
★季節感を生かした生ジュースに。
★大粒のものは皮ごと冷凍してシャーベットのようにしてもおいしいです。
★西洋料理では肉料理のソースに使われます。
★日本料理では甘酢であえたり、天ぷらにしたりします。
★干しぶどうはケーキやお菓子に使われます。ラム酒に漬けこむとより美味。
★干しぶどうを湯でもどしてサラダ、あえものなどに。

ぶどうの保存

ぶどうの保存は、乾燥しないように房ごとラップして冷蔵しますが、夏はせいぜい4~5日、冬でも1週間ぐらいしかもたないので、早めに食べきりましょう。

粒の大きな巨峰やマスカットなどは、粒を軸からはずしてバラバラにし、ポリ袋に入れて冷凍すると3ヶ月ぐらいは保存できます。皮もむきやすくなりますし、半解凍でそのまま食べるとシャーベット風に楽しめます。

干しぶどうは、糖分が多く湿気を含みやすいので、密閉した容器に入れて冷暗所で保存します。長期保存するときには冷蔵庫に入れてください。

ぶどうの洗い方

最近、テレビや雑誌、インターネットなどで、ぶどうを皮ごと食べるようにすすめているのをよく見かけます。確かにぶどうは皮に近いほど甘く、また皮には実に含まれない栄養分も多いのですが、気になるのが表面の汚れや残留している農薬です。皮ごと食べるのは、よく洗ってからにした方が安心です。

そこでぶどうの洗い方。まず、ボールに水をたっぷり張り、10分ほどぶどうを浸しておきます。それから、ぶどうをざるに移し変え、水を替えてから水中で5回ほどゆらすように洗います。粒が軸から離れてしまわないように注意してください。これだけで表皮はずいぶんきれいになります。

ぶどうジュースの作り方

よく熟したものなら品種はなんでもかまいません。ピオーネやベリーAなどはできあがりの色がきれいです。

  1. ぶどう1kgを軸からはずして一粒ずつよく洗い、ほうろう鍋に皮ごと入れて、木じゃくしなどでつぶします。
  2. 水1カップとレモンの薄切り(2~3枚)を入れて火にかけます。沸騰したら、中火にして4~5分煮ます。
  3. さらしの布を袋状に縫って作ったこし袋に、煮たぶどうを入れ、つるしてボウルで汁を受けます。このとき無理にしぼらないように。果汁が落ちきったらでき上がりです。好みで氷や炭酸水を加えるとよいでしょう。また、しぼりかすは裏ごしして重量の60~80%ぐらいの砂糖と煮つめればおいしいジャムになります。
(ジュースの応用)ぶどうゼリー

上のぶどう果汁に50~60%分の重量の砂糖を加えて煮つめるとゼリー状になります。冷まして容器に入れて冷凍するとできあがりです。ゼラチンを加えてゼラチンゼリーにしても良いでしょう。

ぶどうの栄養・効能

主な成分

ぶどうはブドウ糖や果糖などの糖質が主成分です。ともに吸収されやすくエネルギーに変換されやすいのが特徴です。ほかにビタミンB1、C、E、カルシウム、カリウム、リン、鉄、亜鉛などの成分が含まれています。

酸の含有量は種類によって差がありますが、全般的に酒石酸が多く、次いでリンゴ酸が含まれています。また、ペクチンやタンニンも多く含有しています。

干しぶどうは、生のものよりも糖質やカリウム、食物繊維、鉄、カルシウムが濃縮されています。ただし100gで301kcalと高カロリーなので、食べすぎには注意してください。

疲労回復に

主成分の糖質は、ブドウ糖と果糖がそれぞれ半分を占めています、糖質は体内でブドウ糖に分解されてはじめてエネルギーとして活用されるのですが、ぶどうに含まれる糖分の内、ブドウ糖は初めからエネルギーとして利用できる形で存在し、果糖もブドウ糖に分解されやすいために疲労回復時のエネルギー補給に最適なのです。

果実の中でもっともブドウ糖と果糖の含有量が多いのがぶどうです。疲労回復に即効性があるほか、夏ばてや病中病後の栄養補給にも大きな効果があります。

大腸がん予防

酒石酸などの有機酸はコレステロール値を下げるはたらきのほか、腸内を弱酸性に保って大腸がんを予防するはたらきがあると考えられています。

高血圧予防に

比較的多く含まれるカリウムは、体内の塩分排出にはたらき、高血圧の予防に有効です。

食欲増進

ぶどうにはのビタミンB1が桃の5倍、りんごの3倍含まれています。B1は、精神を安定させたり、食欲増進に効果がある成分で、不足すると食欲の低下やイライラ感がおこります。白米を主食にしている日本人には不足しやすい成分なので積極的にとりたい成分の一つです。

貧血予防に

ぶどうには、カルシウム、カリウム、鉄などのミネラルが、少ないながらバランスよく含まれているので、貧血気味の人にはとてもよい効果をもたらします。

特に干しぶどうにはこれらの成分が濃縮されて含有されていますので、貧血の予防や改善に効果があります。

赤ワインのポリフェノール効果

ぶどうの皮や種子には、活性酸素の害を防ぐポリフェノールが豊富に含まれています。残念ながら、ぶどうを生食する場合は、皮や種は食べないことが多いのですが、赤ワインはぶどうを丸ごと発酵させたものなので、ポリフェノールを豊富に含んでおり、脳卒中や心臓病の予防に大変効果があります。

赤ワインには鉄分も多く含まれ、また、食欲増進効果もあるので、これらの効果を期待したい人は、食前酒として毎日少しずつ飲むようにすると良いでしょう。但し、飲みすぎは逆効果ですので注意してください。。一日にワイングラス一杯程度が適量です。

ぶどうの歴史

ぶどうの原産地は、ヨーロッパ系とアメリカ系の2系統があったと考えられています。

ヨーロッパ系

ヨーロッパ系ぶどうの原産地は、コーカサス地方から地中海沿岸にかけての地域だと言われています。エジプトでは紀元前3000年ごろから栽培されており、紀元前2450年頃にはワイン酢の醸造も行われていました。エジプト遺跡の壁画などにもぶどうが描かれています。

ヨーロッパ系の特徴は乾燥した気候を好むことです。生食される品種ではマスカットが代表です。

旧約聖書にもぶどうは数多く登場しています。ノアの方舟の話の中で、洪水が引いたあと、陸地に立ったノアが最初に作ったのがぶどうで、収穫後すぐにワインを作って酔っぱらったと記されています。また、キリストの最後の晩餐では、パンを「私のからだ」ワインを「私の血」と言って、弟子たちに分け与えました。

中国へは前漢の武帝の時代、その臣の張騫(ちょうけん)をシルクロードを経て西域に遣わしたときにヨーロッパ系ぶどうが伝えられました。

日本へは、12世紀に中国経由でヨーロッパ系ぶどうが渡来したといわれています。現在も栽培されている品種では、甲州ぶどうがヨーロッパ系品種にあたります。鎌倉時代には栽培もされていました。

アメリカ系

アメリカ系ぶどうは、アメリカ北東部のアパラチア山脈に自生していた野生ぶどうから改良されたもので、その栽培の歴史は200年ほどです。

ヨーロッパ系のぶどうが乾燥を好むのに対し、こちらは湿潤した気候でも栽培でき、耐寒性もあるので比較的栽培が容易です。

アメリカ系では、デラウエアが有名です。

江戸時代初期には棚式栽培法が伝えられて急速に栽培が広まりました。明治時代以降には、ヨーロッパやアメリカから多くの優れた品種が導入されましたが、多くは多雨多湿の日本の気候に適さず、当初栽培は困難でした。やがて温室栽培などの日本の気候に適した栽培法が工夫され、ようやくマスカットや巨峰などが商業栽培されるようになりました。

ぶどうの豆知識

ぶどうの語源

葡萄(ぶどう)という呼び名は中国語が語源です。中国で漢字2文字以上を使ってあらわされるものは、ほとんどはもともと中国に無かったものですが、ぶどうも、前漢武帝の時代に張騫(ちょうけん)によって西アジアからもたらされたものです。その際、ギリシア語のbotusに葡萄という2文字を当てられたのです。中国では「プータオ」と発音しますが、それが日本に伝えられたときに「ブドウ」と訛りました。

種無しぶどうの作り方

デラウエアは、種無しぶどうの代名詞のようになっていますが、トムソンシードレスなどの種の無い品種とは違い、もともとは種のできる品種です。では、どうやって種無しにするかと言いますと、花が散って果実ができかけた時期に、ジベレリンという植物成長調整剤を使用して種を作らないようにしているのです。

このジベレリンは「バカ苗病」という稲が大きくなる病気から発見された植物ホルモンの一種で、ジベレリンによる種無し化は、日本が発明した世界に誇れる技術だそうです。

デラウエアは昭和33年頃から種無しで出荷されて現在では種無しが当たり前のようになっていますが、現在ではベリーAや巨峰、ピオーネなども同じ技術で種無しにされています。

葡萄色

と書いて「えびいろ」と呼びます。日本古来の色の名前で紫がかった赤色のことです。葡萄染め、葡萄紫というように使われます。古くはぶどうのことを「えび」「えびかづら」と呼んだことに由来します。

日本での栽培はじまり二説

一説には、奈良時代の僧である行基(668-749)が中国から持ち帰ったぶどうの種を持って栽培に適した土地をさがし歩き、718年ついに山梨県の勝沼を見つけて種をまきました。これが甲州ぶどうの誕生であると言い伝えられています。行基はこの地に大善寺を建立して、自らぶどうを右手に持つ薬師如来像を刻みました。ちなみに行基は最初に日本地図を作った人だとも言われています。

もう一つは、雨宮勘解由という人が、1186年、甲斐国八代郡祝村の城の平の石尊宮の祭礼に詣でた帰り道に、道端に生えているぶどうの変種を見つけた、という説です。普段見なれた山ぶどうとは違うので、畑に植えて育ててみたところ、5年後の秋にきれいな虹色の葡萄ができたということです。これが現在も栽培されている甲州ぶどうの起源だと言うことです。