大昔から食べられていた春の味「わらび」

万葉集や源氏物語にその名が出るほど、蕨(わらび)
古くから食用されている山菜です。

こぶし状に巻いている若葉を茎ごと食べるので、
早蕨(さわらび)とも呼ばれており、また子供の拳に
似ていることから蕨手(わらびて)とも呼ばれています。

わらびはビタミンB1分解酵素であるアノイリナーゼや
発がん性物質が含まれていますので、その効力を消すために
加熱処理をします。

アクも強いので調理の際は加熱処理をして、アく抜きをする
必要があります。アク抜きには木灰か重曹を用います。
栽培されているものにはアクのない種類もあります。

東北地方などでは冬季の保存食として用いられています。

味が良いのでお菓子の材料としても珍重されています。

わらびの地下茎からデンプン(わらび粉)を製造して、
その粉で作った餅をわらび餅といい、きなこを付けて食べられています。

わらびには皮膚や髪の毛を再生に有効なビタミンB2や、
不要な塩分を排出し高血圧や動脈硬化の予防効果があるカリウム、
細胞の老化予防効果があるビタミンE、他にもカロテンや食物繊維なども
多く含まれています。

干すことによってカリウムやカロテンの含有量がさらに増えるといわれています。

インドではわらびの根茎は下痢止めに使われており、ヨーロッパでは
虫下しとして利用されています。