春の魚、鰆(さわら)

寒い冬もそろそろ終わり、
吹く風に温もりを感じるようになってきたら、
もうじき春の到来です。

字面も爽やかに、春の魚と書くさわら)は、
俳句でも春の季語とされていますが、
実は関東などでは真冬に獲れる
サワラが好まれる傾向もあるようです。

回遊魚なので、実は年中どこかで獲れる魚なんですね。

それでは、なぜ春の魚と言われているかというと、
これは主に関西で獲れる時期を指すようです。

昔から瀬戸内では、春になると産卵のために
外界から入ってきた鰆が多く獲れるようになり、
身とともにその魚卵や白子も楽しみに食べられてきたそうです。

和歌山では、桜が満開の頃に獲れるものを特に「桜鰆」と呼ぶなど、
春を旬とする魚として味わってきたのでしょう。

くせのない白身は上品で、照り焼きや塩焼き、
幽庵焼きや西京焼きなど、さまざまな食べ方で美味しくいただけます。

今年はぜひ鰆で春を感じてみてはいかがでしょうか。